日本キャリアデザイン学会

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ごあいさつ



日本キャリアデザイン学会 会長

川喜多 喬(法政大学 経営学部 教授)


日本キャリアデザイン学会は、設立後わずか4年にして、ほぼ一千名の会員の参加をえました。キャリアデザインへの関心が高まってきたことはたいへん嬉しいことだと思っています。しかし、背景には雇用への不安、職業選択への戸惑い、人生設計の困難などがあるとすれば、喜んでばかりはいられません。

何もかもが急激に変わっていく、この時代を前提とすれば、それに翻弄されず自分のキャリアをデザイン・リデザインし続ける人びとに関わろうとする学会の重要性は大きいと思っております。


本学会は、いわゆる研究者だけではなく、キャリアに関わる様々な実務家が多く参加しています。幼稚園から大学までの教員や職員、高校の進路指導教員から専門学校や大学の就職指導担当者、企業内のキャリアカウンセラーや人事教育担当者、経済団体の産業人材育成活動担当者、労働組合による職業教育担当者、キャリアビジネスのエクスパートや職業紹介機関のアドバイザー、NPOのオーガーナイザーから主婦の再就職や定年退職者によるまちづくりを支援している行政機関職員など・・・これほど多様な人びとがまわりの人びとのキャリアデザインを考えその支援活動をされているとは驚くばかりです。


とはいえキャリアデザインが現代人の自律営為にならねばならぬとすれば、なによりも自ら自身のキャリアデザインを真剣に考えようとする人びとが研究者や支援者との出会い・相互啓発の場として学会を利用していただかねばなりません。したがって研究のための研究ではなく、とはいえ研究に裏付けられぬ訓話・説教に堕することなく、またキャリアデザイン支援者だけの集まりにならないよう心がけていきたいと思っています。


人生設計に密接に関わる以上、教育学、心理学、経営学、社会学、文学、医学・・・・多様な学問の交流からキャリアデザイン学は生まれてくるものだと考えています。学会の役員も多様なバックグラウンドを持っています。学際研究に求心力をもたせるのも、キャリアデザインとその支援の実践事例にもとずいて意見を戦わせる機会が増えることだと考えており、年間を通して様々な研究会を組織しております。


時代の必要性からかキャリアに関わる実務家があまりにも急激に増加した結果、ときに急ごしらえの専門家もどきによる誤謬、偏見も見られます。キャリアデザイン・プロフェッショナルに健全な標準を確立し、その社会的地位の向上を図ることも学会の使命だと思われます。

 

様々に提案されている技法、理論、資格などの科学化には長い時間がかかり、迂遠にみえましょうが、人々のキャリアの現実に関わり、変えようとする運動が拙速であるとすれば、それこそ恐ろしいことでありましょう。課題解決は急を要するが、その科学化には忍耐我慢が必要で、その息の長い活動に皆様のご理解、ご参加をいただければありがたいと思っております。

 

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